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2011.09.19 *Mon*

善徳女王・・・イヨウォンという女優

韓国の歴史ドラマは長い。だから今まで、観たことありませんでした(2本ほど手をつけたけどすぐ挫折したし・・・)。
でも、善徳女王は、歴史好きの知人に強く勧められ、彼の顔を立てるつもりでちょっと観始めてしまいました。
これね、61話あるうちの、3話くらいからもう、止まらないジェットコースターに乗せられたような心境ではまり込みました。
面白すぎます・・・。ドラマにこんなにはまったのは、たぶん、初めてですね。

最初は、世紀の悪役「ミシル」という役の人がすごいと思ったんですよ。圧倒的な存在感でドラマの屋台骨を支えていると。
で、一度観終わった後、録画したものの中からミシルの名シーンなんかを抜き出して、もう一度観たんですよね。
何度か繰り返すうちに、あれ、違うぞ・・・と思うようになってきた。
ミシルは、最初から最後まで同じトーンで強引に自分をアピ-ルし続けているけど、彼女は自分の思うとおり自由自在に演じているだけ。
繰り返してみていると、だんだん、顔芸を見せられているような気になってきます。
何度か噛むうちに、味がなくなってくるわけです。

逆に、噛むほどに味が出て、次々と新しい意味を感じさせてくれるのが、主役のトンマンだったんですよ。
不思議なものです。最初は全然存在感が薄いと思っていたのに。

実際ね、トンマンってただ立っているだけの場面が多いですよ。
ミシルみたいに感情を露にできる立ち位置でもない。カリスマ的な台詞を大々的にかますわけでもない。

象徴的なのは、日食エピソードの結末の回、王女として宮廷の楼閣に立ち、公の場に姿を見せる場面。
トンマンの英知で鮮やかにミシルをだしぬく劇的な場面なのに、トンマン自身は演説ひとつしない、・・・それどころか、言葉ひとつ発しない。
ユシンとアルチョンに紹介されて表に出たら、あとは、あの弱っちい王と王妃が渾身の勇気を振り絞ってトンマンを王女として民衆に認めさせるという流れがあるだけ。
彼女自身の力でその場に立ったのに、一度たってしまうと、あとは流れにまかせて立ち尽くすだけ。

まあ、そういうキャラ設定なんですよね。ミシルとの好対照が描かれているわけだから。でも損ですよ。これ。

それにもともと、野心的で前のめり、というキャラ設定でもないんです。
理想に燃えて政策に取り組むというより、問題に面したとき、いろんな人と対話をしながら、その対話の中でとるべき政策を見つけていく。いつも方法を模索していて、それを常に人から与えられる、という役回りです。
つまり、発する演技より、受ける演技が多い。

そしてこの主演女優は、受ける演技が抜群にうまい。

ウォルチョン大使との対話、ミシルとの対話、ユシン・アルチョン・ピダム・チュンチュとの対話・・・どの対話のときでも、人の話を聞きながら、いつもくるくると頭脳をめぐらせて、苦悩したりひらめいたり、感動したり、してやったり、とニヤリとしたり。
もうね、目の色から口元から頬の筋肉にいたるまで、考え抜いているんです。
しかも、それが、非常に抑制されていて不自然な演技がまるでない。ミシルのこれみよがしの表情づくりとは違う。

ちなみに、ミシルとピダムは、親子だから似せているのかどうかわかりませんが、表情の作り方が似てますね。
こういう場面では、こういうふうにする、という決め事がいくつかあるように思います。
それは、対話の中で用意されたものではなく、個性を強調するためにあらかじめ練習した「クセ」みたいなものでしょう。
まあ、それはそれで、役として正しい作り方なのでしょうね。ああいう、いかにもカリスマを演じるための。
でも、トンマンにはそういう「クセ」が許されない。
ただ自然に、相手から発せられたものを自然に受け取るという、ある意味自分を殺すような受け答えを要求されている。

少女から王女時代はともかく、女王になってしまった後なんて、人間としての感情を出してはいけないという制約まで課せられている。
課せられた上で、頑固なユシンへの怒りと心配、チュンチュへの期待と叱責、ピダムへの屈折した思いなどを文字通り「にじみ出す」演技をしなければいけない。
大変な役ですね。

もうひとつ、トンマンには、ミシルやユシン、アルチョンと大きく違う役どころがあります。
少女、王女、女王という3つの時代に分けられるとしたら、その時代の変遷とともに、前面に出す個性を変えていかなければならないという点でしょう。
この点、先にあげた3人は、全く変わる必要ないんです(ピダムはまたちょっと別だけど)。
ミシルは強烈なカリスマのままでいい。ユシンは愚直一途な軍人でありつづければいい。アルチョンは・・・って具合で。
でもトンマンは、何も知らずに新羅に出てきてからと、姉の死後の決意、王女としての復権、政治家として成長し、最後は女王として孤独の中で死んでいく・・・すべての過程で、全く違うものを表現していかなければいけない。
もちろん、トンマンとしての個性・・・根っこの明るさと聡明さはドラマの軸としてぶれてはいけない、という条件つきで。

そんな不利な条件の中で、「ミシルが主役」と言われながらもあの女優さんは、全くぶれずに、彼女独特の存在感でたち続けていました。
まあ、ジャズのセッションでいうと、通奏低音であるベースと、主旋律を一人で担っていたようなものでしょう。

ミシルとピダムの人気が鰻上りだったこともあり、トンマンの個性を活かす場面はかなり削られたといいますから、さらに大変だったでしょうね。
たぶん、脚本家の方も、演出の方も、目先の視聴者人気に応えるために作品をかなりいじったのでしょう。
そのいじる過程では、主役の女優さんに甘えたのではないかと思います。
だって、甘えて大丈夫な芯の強い主役だから。

そう思うと、ミシルとピダムがあれだけ面妖に作品を動かしたにも関わらず、筋の通ったエンタメとして質を維持できたのは、
主役の女優さんの、ぶれない「清廉さ」のおかげでした。私はそう確信しています。

私は、日本の女優さんの中では、深津絵里さんが大好きです。
彼女は自分をゼロにできるような気がします。
それくらい、どんな状況にもなじみ、自分を無理に表に出すことなく、相手との対話ができる人。
発すること以上に、受けることがうまい女優さんだと思うから。

同じことを、この、善徳女王の主役の方にも感じます。

最後に、やはり、あの場面のことを。
姉のチョンミョン王女を亡くす場面での、トンマンの慟哭。
見事でしたね。私は、チョンミョン王女が死ぬ場面ではなく、トンマンのあの慟哭する様に心が動き、泣けました。
あの場面がトンマンの感情のピーク。物語が動き出すすべての始まりでした。
ドラマを長いスパンで捉えて、あれ以降のトンマンを抑制していく女優さんの力量に感服です。
ともすれば、大げさに演技した方が受けがいいし、気持ちもいいでしょうに。

韓国の方は名前が難しくて、なかなか覚えられないのに。
あのかたの名前、おぼえました、

イ・ヨウォンさんというのですね。




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COMMENT

didi様初めまして。
りばと申します。椿さんのブログでのお二人のやりとりから辿らせて頂き、勝手に闖入いたしました。didi様の善徳女王に関する記事、ものすごく読み応えがあり、うなずきんと化しながら読ませて頂いております。

私は以前自分のブログでイ・ヨウォンさんの善徳での演技を「地味」と書いた事があります。地味というとあまりいい意味ではないみたいですが、派手の反対語としての地味でなく、それこそ大地の味、それが含む滋味としての意味も含んで言ったつもりです。他の俳優さん方がとんだりはねたりする中、主役のヨウォンさんが大地のように揺るがずそれを受け止めてくれているからこそドラマが成り立ってるのでは?と。

なのでdidi様の今回の記事は頷く事も多く、そして私の感覚的な浅い触れ方なぞ足元にも及ばない、筋の通った芯のある展開で、又ずっとずっと具体的で納得がいき、それがまたものすごく心地よい納得の仕方でした!

〉〉問題に面したとき、いろんな人と対話をしながら、その対話の中でとるべき政策を見つけていく。いつも方法を模索していて、それを常に人から与えられる、という役回りです。

本当にそうですねー。やっとトンマンチームに加わる事を表明したチュンチュに対しても、トンマンは私は色んな人を受け入れる器だ、という事を言ってました。そしてまた真興王からミシルへ引き継がれた言葉「人を得る者が天下を得る」の言葉通り、トンマンは多彩な人を受け入れ、活かす、それを大きな武器として持っているキャラクターでした。

そしてdidi様のおっしゃるように、ヨウォンさんが受ける演技が巧みであったというなら、トンマンというキャラクターと素晴らしく噛みあった演技をされていたという事ですよね。ミシルのようにカリスマ性で配下の者をひれ伏させるリーダーならば、印象的で他を圧する演技でも良かったでしょうが、トンマンの王としての器が、対する相手を見極め、長点を見出し盗み学び、或いは採用するという長所と結びついている以上、圧倒的なリーダー演技だったらおかしな訳で。キャラクターと演技の結びつきについては考えてみたことがなく、didi様の視点が新鮮で、そして同時にとても納得のいくもので、おお~!と感じ入りました・・・!

私は7~42話までは激しくカットされたBS版しか見ていないのですが、didi様の記事を読んで、ちゃんとノーカット版を最初から、主人公トンマンをしっかり見据えつつ見直したいなあと切に思いました。

初コメントにしていきなり語りまくり、失礼を・・!でもそうせずにいられない記事でした。ぜひまたdidi様の善徳に対するお考え、思い、聞かせて下さい。もう一つの記事のトンマンとピダムのラブラインに関する記事も大変気になってまして、再び長コメントをしに来るかもしれませんがお許しを(汗)。

追伸 椿さんへのコメントレスで、「日ごろ思っているムンノへの思いを書きました」という記事を是非読みたくて探したのですが、見当たりませんでした・・・消されてしまったんでしょうか??(勘違いだったら申し訳ありません)
2011/09/21(Wed) 01:01 | りば #aiMm5YXE [Edit
Re: didi様初めまして。
りば様

コメ、ありがとうございます。
善徳女王って、すごいですね。皆さんを熱く語らせる。
私も、その熱にあやかっておりますが・・・。

りば様のご指摘のとおりです。
トンマンは、「器」なんです。
ただ器であることは、本当に難しいと思いますが、あの女優さんは素敵にこなしていました。

大地の味・・・、滋味かあ。いいですねえ。その表現。
りば様のブログには、すぐにうかがえそうなので、そのコラムを探してみよう。
もうすぐお邪魔しますね。

「日ごろ思っているムンノへの思いを書きました」という記事、ご指摘のとおり、消えてましたね。
知りませんでした。いま、下書きから急いで持ち出して、ブログにあげました。
今度はちょっと、いえ、かなり独りよがりなので、すみません。

さて、りば様のところにお邪魔しに行こう!
2011/09/22(Thu) 00:22 | みやdidi #- [Edit
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011/09/23(Fri) 23:36 | # [Edit
緋翠さまにお手紙出しました
コメ、ありがとうございます!RhododendRon別荘、緋翠様のところですね!
私、ブログでドラマ評を読むということを最近初めて覚えたんですが、その最初が緋翠様のところでした。
で、何度かやりとりさせていただいて、とりあえずブログを全部読破させていただいたので、感想文などを私のところで上げさせていただきました。
妙なことも書いてしまっているかもしれませんが、お暇なときにでも読んでみてください。
リバ様のところも、少しずつうかがって読ませていただいています。
過去記事をある程度読破できたら、最新記事に追いついたら、コメさせていただきますね。
そのときは、よろしく!
2011/09/24(Sat) 17:26 | みやdidi #- [Edit

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