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2012.03.06 *Tue*

漫画実写化の成否③・・・「のだめ談義」

・・・というわけで、「のだめカンタービレ」でございます。

これはダイジョウブ。ワタクシ、ちゃんとした原作ファンなので、堂々と語りましょう。
(注・ちゃんとした原作ファンとは、意図をもって何度も読み直したという定義で、よろしくお願いします)

この原作は、エンタメ作品がファンの心をつかむための3大要素が揃っています。

1.物語の軸となる専門性の高い素材がしっかり描かれている(この場合は、「音楽」)

2.インパクトあるヒロインを中心に、登場人物のキャラが立っていて明解であること

3.少女マンガ限定条件として、ヒロインの相手役たる男性が、王道の「ツンデレ」を極めていること

揃いすぎてて、文句のつけようがありません。

順番付けしておいて、3番目から語るのはなんなんですが・・・
実はワタクシ、少女マンガファンであるにもかかわらず、ツンデレ男が嫌いです。
横暴な男に対し、ヒロインがちょっとでも尽くすような、負けちゃうような場面が出てくるともうアウト。
それがどんなにいい男でも、途端にリタイアさせていただいております。
だから、ツンデレ男爆発傾向にある韓国ドラマを、最後まで観ることができない。
逆に、物語の早い段階で、ヒロインが突き抜けてくれて、ツンデレ男の俺様ぶりが気にならなくなったり、叩きのめされたりした場合は、最後まで視聴することができます。

その点では、「のだめ」の千秋くん。彼は、早い段階で合格でした。
だって、掃除と料理ができるツンデレですから。
のだめの部屋をきれいにする様をみながら、この「俺様」は許せる、と確信いたしました!(・・・ナニサマ?)
なにより、のだめに対する世話の焼き方がオリジナル。
無自覚・無意識のまま、ほとんど生理とか本能にしたがってのだめの面倒を見るように動けている。
(これは、のだめの音楽性と同じ波長。だから二人の対話場面は、畳み掛けるテンポになる)
他の物語で、こんな風に、DNAに刻み込まれたかのようにヒロインを守る相手役がいたでしょうか?
・・・千秋君・・・、素敵です。

他のキャラもいいですよねぇ。

峰・真澄ちゃんを筆頭とする初代Sオケチームは、常識世界から上手にズレて、のだめワールドの土台になってますし。
清良・菊池くん・黒木くんら海外組も、演奏家然としながら、ちゃんと、はっちゃけている。
フランク(・・・ふらんつ?)・ターニャ・ジャンらフランス陣営も、華やかながら適当に下世話だし。
なにより、年寄り連中の配置具合が絶妙。
ヴィエラセンセ、落ち専の谷岡センセ、ハリセン、峰パパ、シュトレーゼマン、オクレールさんに至るまで、みながきっちり役割分担して無駄がない。
(もっとひとりひとりについて、語りたいところですが。RUIとか、マルレオケメンバーとか、リュカとか?でも、そんなことしてると、善徳女王なみの章立てになってしまうので、涙をのんでスルーします)

そしてやはり、ヒロインのだめ。
もうね、最強。
トンマンに出会うまで、わたくしずっとテレビドラマにおける一番の男前ヒロインは、のだめだと思ってました。

・・・で、ここからのだめ語りです。

まずは、理屈抜きで存在そのものがすでに「音楽」。
千秋の世話焼きDNAと同じ波長で、無自覚・無意識・本能や生理のレベルで自然に沸き起こり存在する。
このサヴァンのような特殊性が魅力的です。
(でもまあ、この無自覚・無意識だけではピアニストとして成り立っていかない点が、ドラマのキモ。
そういう自分とどう向き合うか、音楽とどう向き合うかという話になっていくんですけどね)

次に、「変態」で生活能力ゼロという個性が、音楽的で作品に生きている!
その表情や行動が、軽やかでリズム感に富んだ楽しい調べのようでしょう。
ほんと、のだめって、本人が音楽そのものなんですよ。

さらに、強ずぎる感受性が引き出す多彩な表情。
ざっと分けても、ルンルンモード・どん底落ち込みモード・集中力過多の頑張りモード・そして大川弁によるブチギレやさぐれモードなど、面白くも切なく、切なくもあほらしいバリエーションで、物語をますますシンフォニックに盛り上げる。

・・・なぁんて、ちょっと音楽評論家佐久間さん風に語ってみましたが。

とにかく、のだめというオンナは、比類なき明るさ・淀みないボケ加減・強すぎる自我の三拍子で、作品の大黒柱として申し分なく立っております。
それが他のキャラを巻き込んで、大編成のオーケストラなみのインパクトを生み、我々を物語に引き込むわけです。

ドラマと映画の制作陣も、きっちりやってくれましたね。
玉木宏くん、最初はちょっと「老けてる千秋・・・」と危惧しましたが、なんのなんの。
美形で俺様でヘタレ。
テンションも具合良くて、いい感じでした。
パリで指揮者として成長する流れになると、実年齢と設定が合ってきた感じもしましたし・・・。

瑛太も良かったぁ。小出恵介ともども、そのまんま漫画の住人になれますね。

竹中直人も、あそこまでやってくれれば、イエスです。
映像の構成も、なにより、樹里ちゃんのヒロイン像も、すでにふっきれて「マンガ」になりきっていましたが、シュトレーゼマンのエセ外人ぶりもまた、すがすがしいほどでした。

上野樹里に関しては、別に章立てしたいほど、良かったです。
のだめで表現しなければならないことはたくさんありますが、すべてにおいて、かわいらしかった。
「可愛げ」というのは、重要ですよね。
特に、キレキレモードで音楽に集中している彼女は、顔の筋肉の痙攣から指先の緊張にいたるまで可愛くて、造形的で魅入られました。
・・・ただね。
この「のだめ」としての成功で植えつけられたイメージ、上野樹里としてはどうなんだろう。
大河ドラマ「江」の脚本家が、樹里ちゃんの扱いを間違っちゃったのも、「のだめ」ショックが原因ですよね。
でもまあ、上野樹里が、それほど「のだめ」を鮮烈に演じてしまった結果、ということなんでしょうけど。
作品としては、幸運なことなのかな。

最後に。
この実写化で、原作ファンとしての幸福を極めたのは、「音楽」でした。

物語に登場する音楽が、物語の進行にかぶって実際に聞こえてくるあの感じが、すごくよかったです。
のだめに関していえば、曲が、単なるBGMじゃない場合もあるんですよね。
リサイタルやコンサート場面での大曲はもちろんのこと、エピソードにかぶる思い出の曲、象徴の曲の場合でも、人物やストーリーより、音楽そのものが主役になるときがある。
特に、千秋の独白。予測不能なのだめに振り回されているときなんて、まさしく音楽の方が台詞で、千秋の台詞の方がBGMみたい。

実写映像が原作を上回るなんてことはない、と思ってました。
「のだめカンタービレ」を観るまで。
マンガの内容を一言一句漏らさず、すべての場面を拾い上げたとしても、無理って。
が、「のだめカンタービレ」の場合、実際に音楽が流れてきちゃうという反則技がありました。
これやっちゃうと、実写映像だって原作ワールドに並んじゃうのかもしれないなあ・・・って思います。
(いや、もちろん、演出と役者の演技があったこそ、の音楽ですけどね)

それにしても、この長い物語・・・。
連続ドラマ、スペシャルドラマ、映画の前後編という変則的な構成で、よく最後までまとめましたよね。
日本の音大時代をドラマでくくり、パリでの修行時代をスペシャルドラマでつなぎ、最後、二人の音楽事情と恋愛事情を映画の前後編でまとめるという荒業でしたが、全編、大事に創り上げている感じは、伝わってきました。

特に、「ベートーベン ピアノソナタ 悲愴」で二人が出会い、「モーツァルト 二台のピアノのためのソナタ」で、音楽的にも魂のレベルでも、ともに結びついていく場面。
原作同様、この場面を大事に扱ってくれたのは、嬉しかったです。

原作では、最終巻にこの二曲が再び登場します。
のだめを見失ってしまった千秋が、出会いと同じように、彼女の弾く「ベートーベン ピアノソナタ 悲愴」の音色で彼女を再び見つけ出す。
そして、自分の手に取り戻すために、もう一度「モーツァルト 二台のピアノのためのソナタ」の連弾を試みる、という、二人の歴史の重要な繰り返しのシークエンス。

二人の競演が終わったあと、のだめが、「これってフォーリンラブですか?」という台詞を言います。
原作第一巻・ドラマ第一話では、コミカルで奇異だったこの台詞が、原作最終巻、映画の後編ラストシーンでは、孤独や苦悩に耐えた後の、美しいひとこととなって、さらに二人を結びつける。
千秋・のだめを演じる二人の役者さんたちも、脚本を正しく「アナリーゼ」できていました。

後で気づいたんですけど、「悲愴」エピも「二台のための・・・」エピも、原作の背景は夕日ではないんですよね。
実写化の方で、最初と最後、両方とも美しい夕日の映像で統一していたから、原作の方も夕日の場面なんだと思い込んでました。
恐るべし、実映像。
原作の方を先に読んでいたのに、イメージをすり替え、塗り込められてしまっていた・・・。

でも、実写映像が原作と乖離していなかったからこそ、こういう勘違いもすんなり受け入れちゃうんですよね。

さて、のだめ談義は尽きませんね。
本当はまだまだ語りたいことはあるんだけど・・・。

最後に、実写映像に対して原作ファンが思う、「こうしてほしかった」というグチをひとつ。

実写ではスルーされましたが、体育会系熟女のピアニスト、ニナ・ルッツには、ぜひとも、登場してほしかった。配役は、ぜひとも夏木マリさんで!
シュトレーゼマン竹内直人VSニナ・ルッツ夏木マリの、漫画実写化対決。
漫画実写化における成功例のナンバー1、映画「ピンポン」の夢をもう一度・・・!
(・・・って、だれかわかってくれるかしら?)
 ちなみに、千秋くんのお父さんも実写でみたかったです。
 やさぐれた雅之さんに、役所コージなんて・・・いかがでしょう?


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2012/03/08(Thu) 19:27 | # [Edit
didi様 こんにちは。

「漫画実写化の成否」、興味深く拝読させていただいてます!

取り上げていらっしゃる題材では、私は「のだめ」ですかね、深夜に放送されてたアニメで知りました。ドラマは漫画の雰囲気のまま、観る側も突っ走ることができて楽しむことができて好きでした!

「デカワンコ」、多部未華子さんのゴスロリ観て、私はむかーしのドラマ、松雪泰子さんの「白鳥麗子でございます」(古い・・・てかご存知でしょうか)をなぜか思い出しました・・・。
キャラが多部未華子さんの彼女の持つ雰囲気にパコッとハマったのか、彼女のために作られたキャラだったんでしょうか・・・
原作知らないんですが、こちらは原作とドラマの雰囲気が違うんですねー。漫画の実写化ってできるだけ原作の雰囲気を壊さないことが成否に関わるのかなーと思いましたが、意外です。続きのdidi様の語りが楽しみです

didi様がこれまで上げられてきた作品は、ヒロインがキモだと思うのですが、この記事の最後に語られている、漫画実写化における成功例のナンバー1、映画と仰る「ピンポン」が気になりました!ガラっと変わってスポ根もの・・・。古い作品ですし、映画とドラマってその在り様が違うと思うんですが、気が向いたときにでもお話を聞いてみたくなりました。


2012/03/20(Tue) 13:45 | げん #- [Edit
Re: タイトルなし
げん様 こんにちは。

またまた、おつきあいいただいて、嬉しい限りです。

> 「デカワンコ」、多部未華子さんのゴスロリ観て、私はむかーしのドラマ、松雪泰子さんの「白鳥麗子でございます」(古い・・・てかご存知でしょうか)をなぜか思い出しました・・・。
> キャラが多部未華子さんの彼女の持つ雰囲気にパコッとハマったのか、彼女のために作られたキャラだったんでしょうか・・・

こう突っ込まれると、どこまでも語りたくなる多部ちゃん語り。
これまでの多部未華子という女優は、決して一子ちゃんにははまらないんですけどね。
だけど、かけ離れているようにみえて、その型の中にしっかり自分ではまりこんでいけちゃうあたりが、彼女の存在感なんです。
これまでにも、作品の中で見事にコメディエンヌとして役を昇華してきた女優はたくさんいました。
古くは「時間ですよ」の樹木希林やら、近くは「トリック」の仲間ゆきえやら、あ、そうそう。「のだめ」の樹里ちゃんも、見事にはまっていましたね。
だけど、多部未華子は、そういう女優たちとは根本的に違っている気がします。
自分の個性を土台にしてリズムや型をつくるのではなく、ゼロ地点からくみ上げていくやり方というか。
これ、ずっと思っていたことだったけど、言葉にしてみたらもっとちゃんとおしゃべりしたくなりました。
またまたげん様にお題をちょうだいしましたね。
いつも、ありがとうございます。うふふ、また楽しくなってきちゃいました。

> 原作知らないんですが、こちらは原作とドラマの雰囲気が違うんですねー。漫画の実写化ってできるだけ原作の雰囲気を壊さないことが成否に関わるのかなーと思いましたが、意外です。続きのdidi様の語りが楽しみです

そうなんです。原作者にとって、これ、いいことなのか悪いことなのか。
制作者としては、ヒロインのキャラを楽しめる素材としての「デカワンコ」より、「太陽にほえろ」のキャラいじりとしての「デカワンコ」の方がやりたかったんじゃないかなあ。
原作は、それほどに刑事たちのキャラづくりがうまいです。
これみて、「太陽にほえろ」をイメージしちゃった感じは、すごくよくわかる。
(多部未華子のできすぎた一子ちゃんは、制作側もびっくり仰天の嬉しい誤算だったような気がしています)
でも、肝心の素材である「デカワンコ」ワールドより、おまけのはずの「太陽にほえろ」へのオマージュが勝っちゃったとしたら、それはつまり、原作を傷つけることで失敗ということなのでは・・???と、不安。

成否を問うには、ちょっと複雑な作品です。

> didi様がこれまで上げられてきた作品は、ヒロインがキモだと思うのですが、この記事の最後に語られている、漫画実写化における成功例のナンバー1、映画と仰る「ピンポン」が気になりました!ガラっと変わってスポ根もの・・・。古い作品ですし、映画とドラマってその在り様が違うと思うんですが、気が向いたときにでもお話を聞いてみたくなりました。

お、きましたね。「ピンポン」。
ちょっとジャブを入れてみただけなのですが、結構いろんな世代の人が反応してくれて面白いなあと思っていたところ。
では、もう一度観なおして、改めて誰かと語ってみるかなあ。
そのときはまた、お付き合いくださいね。
2012/03/22(Thu) 11:17 | didi #- [Edit

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